ゴルファーの丸山茂樹氏が「祝! マスターズ優勝」と題して、松山英樹選手の偉業について解説する。
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いやいやいや、やってくれました。松山英樹(29)が「マスターズ」(4月8~11日、米ジョージア州オーガスタのオーガスタ・ナショナルGC)で日本の男子として初めて海外メジャーで勝ちました!
日本の選手が初めてメジャー4大会に挑戦したのが1932年、初めてマスターズに出たのが36年ですか。まさに日本ゴルフ史上最高の偉業ですよ。若いゴルファーたちは、この優勝から夢と希望と勇気をもらったと思います。
テレビで見てて、泣かせてもらいましたよ。優勝決定のパットを入れたときは、苦しみ抜いた本人の気持ちになった感じでしたけど、表彰式でね、満面の笑みでガッツポーズした姿を見て、「これがほんとの英樹の顔だなあ」って感じた瞬間に涙が出ました。
祝福のメッセージをLINEで送ったら、表彰式のすぐあとに電話をくれて、「やりました!」って。僕はもう号泣。通話時間は2分17秒だったんですけど、「ありがとう」って言った以外は何をしゃべったか覚えてないです。ハハハ。
これまでいろんなところで言ってきましたけど、英樹がメジャーで勝つならマスターズだろうと思ってました。彼のゴルフスタイルはマスターズ向きです。完全に。
何より、アイアンの距離感が抜群にいいところですね。そこがものすごく重要視されるコースなんですよ。なおかつショットとパッティングとのハーモニーがうまくいくと最高です。歴代勝ってるのはアイアンショットとパターのうまい人なんですよ。そういう意味では、英樹はむちゃくちゃ向いてましたね。
メジャー4大会のうち、マスターズだけは会場が毎年同じ。英樹はこれが10回目で、1回しか予選落ちがない。やはり合ってるんですよ。たとえばブライソン・デシャンボー(27)は「オーガスタは何度回っても、はっきり分からない」と言ってます。英樹にはそういうネガティブな感情はない。逆に「回りやすい」「パットが入りさえすればいける」と思ってたはずです。
2位に4打差の単独トップで迎えた最終日のポイントを振り返ってみます。