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「いわゆるレガシーシステムはDX(デジタル・トランスフォーメーション)の足かせでしかありません。トラブル続きの銀行が典型ですが、早急に負債化している旧来のITシステムなどを整理して、より有効なデジタル技術を活用し続けなければいけない。どの企業にとっても明暗を分ける大きな課題であり、それを担うDX人材には、最新の成功事例の収集など、常にDXリテラシーの更新が求められます」
こう話すのは『デジタル技術で、新たな価値を生み出す DX人材の教科書』(朝日新聞出版)の著者、鶴岡友也さん(24歳)。480社以上の企業のDX推進を支援する株式会社STANDARDの若きCTOが、今後DXの加速が確実視されているデジタル技術のビジネス応用の最新トレンドを紹介します。
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■「デジタルツイン」が加速する!
いまDXへの投資が最も進んでいる業界は自動車業界でしょう。よく言われるCASE(Connected・Autonomous・Shared・Electric)やMaaS(Mobility as a Service) といったトレンドワードが示す通り、各社は積極的にデジタル技術の活用に投資しています。
トヨタが建設中のスマートシティ「Woven City」を見てもわかるように、ハードウェアからソフトウェアへ、ビジネスの軸を変革しようとしている。IT企業の電気自動車・自動運転分野への参入がその流れを強力に後押ししていることは言うまでもありません。
自動車業界に限らず、製造業は全般的にDXが進んでいます。製造ラインの人手不足の常態化に加え、コロナ禍の影響もあって、製造プロセスにおけるデジタル技術の活用がより加速しています。
たとえば、目視検査工程のAI画像認識技術による自動化。あるいは製造設備をIoTで結び、データの収集・統合・解析を自動化して一元管理する、スマートグラスを活用してリモートで保守点検をするなど、様々なデジタル化が行われています。
特に注目したいDXトレンドは「デジタルツイン」です。これは、リアル空間にある情報をセンサーで収集し、それをもとにデジタル空間上でリアル空間を擬似的にシミュレーションするテクノロジー。IoTなどのセンサー技術やクラウド、処理技術の進歩によって、5年ほど前には技術的に難しかったものが、いまでは難易度が相当下がっています。