山口は8月23日に不起訴処分になったが、事態を重く見た球団側は11月30日までの出場停止や罰金、出場停止期間中の減俸の処分を科すことを決めた。

 これに対し、日本プロ野球選手会は「処分は不当に重い」として再検討を求めたが、当初球団側が山口に自主退団を要求し、その後、複数年契約を短縮することになったという話も選手会側から明らかにされた。

 処分が明けた山口は、19年まで巨人でプレーし、同年は15勝4敗の好成績で最多勝、最高勝率、最多奪三振を獲得するなど、5年ぶりのリーグ優勝に貢献した。もし自主退団になっていたら、シーズンの結果も違ったものになっていただろう。

 真相はどうあれ、自主退団が違った意味で用いられた一例である。

 最後に志半ばでプロ野球界を去る東野が、セカンドキャリアで成功を収めることを切に願いたい。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2019」(野球文明叢書)。

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