「天使のはらわた」「ヌードの夜」などで知られる鬼才・石井隆監督(66)は、余貴美子や夏川結衣ら、多くの女優を飛躍させてきた。そんな石井監督の最新作「フィギュアなあなた」は、孤独な青年が美少女フィギュアに出会うエロティックファンタジーだ。監督とヒロインの佐々木心音さん(23)が対談し、その中で共演女優・壇蜜との「ケンカ」報道の真相も明かされた。

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石井:(壇蜜と)ケンカしたんだって?

佐々木:ええ!?

石井:スポーツ紙に書かれてたよね。「フィギュアなあなた」がきっかけでケンカになった、とかって。悪いことしちゃったなと思ってたんだけど。

佐々木:まったくないです。仲いいですよ。もともと私、壇蜜さんと同時期にグラビアを始めたんです。同じ雑誌で共演もしてるし、同期みたいな感じです。壇蜜さんは会うと毎回お土産とか持ってきてくれて、いまも彼女からもらったストラップを携帯につけてます。「飛躍するように」って。

石井:なんだ仲良かったんだ。記事にだまされたなあ。

佐々木:姉妹みたいな感じですね。見た目が似てるって言われることあるんですけど、壇蜜さんは“ザ・女”という感じの方で、私よりもっと女性らしいです。

石井:心音くんがもっと「ネトッ」とした性的な印象を与える人だったらフィギュアの役はできなかった。僕もこのチャンス逃したらこんなフェチな内容できないなぁと思った。この映画が心音くんにとって、いいきっかけになってくれるといいですけど。

佐々木:フィギュアの心音役ってけっこう自分の実生活と似てて共感できたんです。私、けっこう“だめんずメーカー”なんですよ。

石井:えぇ!?

佐々木:この映画みたいに彼を元気づけたかったらパンツはかないとか、そのくらいのことをしちゃうんです。

石井:いい子だねぇ!(笑い)

佐々木:身の回りのこととか全部やってあげちゃうから、彼が自分で何もしなくなる。だめんずであればあるほど、母性本能が働くタイプなんです。だから(柄本)佑さんが演じるオタク青年にも全然、拒絶反応ないです。会社でいじめられて帰ってくる佑さんを「よしよし」みたいな。

週刊朝日 2013年6月21日号