眞子さまと小室圭さんの結婚の行方は国民の関心事となっている。一般人なら本人たちの気持ちが最優先で済むが、なかなかそうはならず先行きが見えない (c)朝日新聞社
眞子さまと小室圭さんの結婚の行方は国民の関心事となっている。一般人なら本人たちの気持ちが最優先で済むが、なかなかそうはならず先行きが見えない (c)朝日新聞社
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2005年に八ケ岳を訪問した際に、集まった園児にしゃがみこんで話す現・上皇夫妻と紀宮さま。紀宮さまはお二人の姿から公務への姿勢を学んだという (c)朝日新聞社
2005年に八ケ岳を訪問した際に、集まった園児にしゃがみこんで話す現・上皇夫妻と紀宮さま。紀宮さまはお二人の姿から公務への姿勢を学んだという (c)朝日新聞社

 小室圭さんが公表した文書への批判が続いている。その文書と小室さん自身を貫くのは「自分ファースト」。「オンリーワン」偏重の時代を生きてきた眞子さまと小室さん。皇室が貫いてきた姿勢を求めるのは簡単ではない。AERA 2021年5月24日号の記事を紹介する。

【写真】「自分セカンド」の姿勢を貫いた皇族女性とは

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 秋篠宮家の長女眞子さまとの婚約が内定している小室圭さんの評判が、どうにもよくない。

 母・佳代さんの「借金問題」について説明する文書を4月8日に公表、捲土重来になるはずだった。が、「(解決金を渡せば)早期解決と引き換えに借金でなかったものが借金であったことにされてしまう」「将来の私の家族までもが借金を踏み倒そうとした人間の家族として見られ続ける」と大見えを切ったわずか4日後、代理人弁護士が「解決金」の支払いを検討していると明かしたことで、火に油をそそいでしまった。

 当事者である元婚約者(以後Aさんとする)も4月27日に代理人を通じ、「一連の出来事に関しては大変困惑いたしました」というコメントを発表した。さもありなんと思いつつ、600字余りの全文を読むと、小室文書との趣の違いに気づく。

 まず、「私と小室佳代さんとの間の金銭問題が、いまだに世間を騒がせていることに関して、誠に申し訳なく感じております」と始めている。おいおい、金銭問題を週刊誌上で公表したのはあなたで、何を今さら。とは思うのだが、「以前もコメント致しましたが、私と佳代さんの金銭問題と圭さんの結婚は別問題だと今も考えています」などという文章を読むと、少し気の毒になってくる。思っていた以上の騒動になり、困っているのだろうと思えてくるのだ。

■世界に一つだけの花

 で、小室さんの文書には、こういうところがまるでない。「借金ではなく贈与だ」と延々説明するだけ。文書が遅れて申し訳なかったとか、「贈与」してくれたAさんへの謝辞とか、そういうものがあればここまで不評にはならなかった、と思う。

 公表翌日、眞子さまの「いろいろな経緯があったことを理解してくださる方がいらっしゃればありがたい」というコメントも、宮内庁から発表された。2人で相談し、合意した文書だったという説明もあった。眞子さまは昨年11月にも「お気持ち」を文書で公表している。「お互いこそがかけがえのない存在」で、結婚は「心を大切に守りながら生きていくために必要な選択」と熱く訴えるものだった。

 名古屋大学の河西秀哉准教授(歴史学)はアエラ4月26日号で、「小室さんと眞子さまはよく似ていると思う」と語っていた。取材時、具体例としてあげたのが、この「お気持ち」だった。皇族の言葉や文章を研究してきた河西さんには、この文章は「きつい言葉」に映った。「自分」を主張する強さという点で、眞子さまと小室さんは似ている。そういう分析だった。

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