菅首相は緊急事態宣言を5月末まで延長するなどしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を押さえられず、朝日新聞社の全国世論調査(15、16日電話)では内閣支持率は33%(前回4月は40%)まで急落。昨年9月の発足以来、最低タイとなり、危険水域となっている。自民党だけでなく、官邸でも菅首相は”裸の王様”状態という。

「安倍政権の官邸とは異なり、議論することはなく、菅首相は悪い意味で何でも自分で決めています。ワクチン接種でも西村経済再生担当相、田村厚生労働相は『専門家の方ばかり見ている』と日頃から首相に怒られて萎縮していますし、河野ワクチン担当相は唯我独尊。岸防衛相、武田総務相など船頭を増やした結果、スタンドプレーや主導権争い、足の引っ張り合いを生んでいます。とりわけワクチンに関しては、『高齢者7月末接種完了』『大規模接種センターでの1万人接種』など菅首相の独善的かつ現場無視の指示で、完全に混迷状態で関係閣僚は翻弄され、さすがに疲弊しています。『とにかくワクチンを打て』と日々、追い立てられれば、求心力が低下するのは必然です。首相自身、周囲のスタッフを含めて信用していないから忠誠心や士気も低下します。まさに”裸の王様”と思います」(政府関係者)

 菅政権は正念場を迎えている。(今西憲之 AERAdot.取材班)