子どもから親へ知識が伝わっていけばいいんですが、小学生ならまだしも高校生の場合は「今日の授業でこんなことを習ったよ」などと親に報告してくれることは期待できません。
PTAでも今後、精神疾患の専門家を招いて話を聞く勉強会を企画するなど、親が学ぶ機会を増やしていきたいと考えていますが、さまざまなご家庭があって、こうした活動に参加していただけないことも多い。それでもおたよりやSNSなどさまざまな方法で地道に発信していくことが大事で、変えていけると思います。発達障害も少し前までは同じような状況でしたが、今は普通に議題に上がるまでになりましたからね。
――今回の学習指導要領の改訂で、おのずと先生方の精神疾患に対する理解も進むと思います。学校現場がどう変わることを期待しますか?
先生が子どもを見て「なんだか様子がおかしい」と感じたときに、「精神疾患かもしれない」という知識があれば、養護の先生に相談したり、親への連絡もしやすくなるのではないでしょうか。また、PTA活動では親の参加者が限られてしまいますが、より多くが参加する保護者会などで先生から精神疾患について話していただくということもできるのではと期待しています。
(文・熊谷わこ)