現在、通院している患者のエリアは、北九州圏内が6割、福岡県内が3割、県外が1割だという。

「難治症例については地域の病院からの紹介が多いですし、そういう症例も数多く経験していますので、各医療機器メーカーから新しい治療器具の治験を依頼されることも多いです。そのため最新の治療を提供できる体制が整っています」

 また、治療数以外に重要になるのが遠隔モニタリングだ。遠隔モニタリングとは、患者に植え込んだ、植え込み型デバイスの情報を電話回線や携帯電話を通じて自動送信するシステムだ。

 患者はモニターという送信機に植え込み型デバイスの情報を取り込み、そのモニターを自宅で電話回線や携帯電話とつなぐと、植え込み型デバイスの情報や心臓の状態が、専用のデータベースに送られ、医師はその情報をインターネットを通じて入手し、患者の状態に応じて早期に診療対応ができる。

「当院は、2008年から遠隔モニタリングシステムを採用しており、現在約1000人の患者さんが利用しています。患者さんの状態を逐次把握できますので、病状チェックのための外来診察の回数が年に1度ほどで済みます。遠方から通わなければならない、特にご高齢の患者さんにとってはいいシステムですし、我々医療者にとっても効率よく診療ができるシステムです」

(文/伊波達也)

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