ダイエッターが本当に控えるべき「糖」とは?(※写真はイメージです/GettyImages)
ダイエッターが本当に控えるべき「糖」とは?(※写真はイメージです/GettyImages)
この記事の写真をすべて見る
計太(けいた)/1989年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。パーソナルトレーニングジム「ボクノジム」経営。モットーは「2か月後の減量よりも1年後の健康」。
計太(けいた)/1989年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。パーソナルトレーニングジム「ボクノジム」経営。モットーは「2か月後の減量よりも1年後の健康」。

 数年前から大流行している糖質制限ダイエット。チャレンジした経験があるという人も多いのでは。しかし早稲田大学大学院で運動生理学を学び、「ダイエットコーチ計太」としてYouTubeでも活躍するパーソナルトレーナー・計太さんがすすめるのは、「糖質制限」ではなく「糖制限」ダイエットです。その内容や理由とは?

【写真】ぽっちゃり子役の「細山くん」が、外資系金融のエリートサラリーマンになっていた!

*  *  *

 糖質制限ダイエットの特徴は、体重がすぐに落ちるということでしょう。なぜ糖質制限で体重が落ちやすいかというと、糖の摂取を減らすことで、体から水分が抜けるからです。糖は体内に貯蔵される際、水分と一緒に蓄えられます。そのときの糖と水分の比率はおよそ1:3と言われているので、糖が体から減ればその3倍ほどの水分が体から抜けるということになります。つまり、糖質制限を始めてすぐに減った体重というのは、ほぼ水分が抜けたことによるもので、脂肪はほとんど減っていないということです(ちなみに、脂肪を1キロ減らすには、カロリー収支で約7200キロカロリーのマイナスが必要になると言われています)。

 その一方でリバウンドしやすい、継続できない人が多いというデメリットもあります。例えば、今までお米をしっかり1日3杯食べていたとして、その量を半分にしたり、極端なケースではまったく食べなかったりという生活になるわけですが、その生活をずっと継続できるでしょうか? 多くの人はどこかでその制限がストレスになり、食欲が爆発します。また、糖質制限を長期的に実践していると、糖の代謝機能、つまり糖を処理する能力が低下してしまいます。糖を処理する能力が低下した状態で、仮に食欲が乱れて糖を必要以上に摂取してしまうと、もちろん体重がリバウンドするだけではなく、別の健康被害にもつながるでしょう。

 これらの理由から、基本的に僕は糖質制限ダイエットの長期実践はおすすめしておりません。そして、最近では多くのダイエット指導者が糖質は適度な量を摂取すべきと発信しているように思います。これは僕の推測ですが、少し前から糖質制限ダイエットが流行して多くの人が実践し、失敗した人も多く出てきたことで、否定派の指導者が目立ってきたのかもしれません。

著者プロフィールを見る
計太

計太

計太(けいた)/1989年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。専門は運動生理学。東京を中心にパーソナルトレーニングジム「ボクノジム」(https://bokuno-corporation.com/)を経営。論文の科学的データに自身の経験を組み合わせ、インスタグラムやツイッターなどで理論的かつ実践的なダイエットやトレーニングに関する情報を発信中。“2か月後の減量よりも1年後の健康”をテーマにしたYouTubeチャンネルは登録者11万人(2022年1月現在)と人気を集める。また、公式LINE(https://lin.ee/VJIfdbB)ではダイエットに役立つ情報や動画を無料配信中。

計太の記事一覧はこちら
次のページ