SNSで全仏オープンの棄権を発表した大坂なおみ(写真/gettyimages)
SNSで全仏オープンの棄権を発表した大坂なおみ(写真/gettyimages)
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 女子テニスの大坂なおみが31日、全仏オープンの2回戦を棄権することを自身のツイッターで発表した。大坂は30日の1回戦勝利後、記者会見を拒否し、1万5000ドル(約165万円)の罰金を科せられた。さらに、すべての四大大会主催者から連名で「(今後も記者会見に応じない場合は)全仏の失格、他の四大大会出場停止などにもつながりかねない」と警告されていた。

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 繊細な性格だが、主張しなければ心は壊れてしまう。そう考えて発言したことが本人の予期しない騒動に発展してしまったのだろう。大坂はツイッターで、「数日前に(記者会見をしないと)発表をした時にこんな状況を想像していなかった」と胸中を吐露。「大会、ほかの選手、私の健康のためにも棄権が最良の選択だと思う。大会を邪魔する要因になりたくはない」と全仏オープンを棄権する理由を明かした。

 英語で綴られたツイッターの文章にはさらに衝撃的な真実が。18年の全米オープンで四大大会初優勝してから、うつ病の症状に悩まされていたことを告白。「オフィシャルな場所で話すのが元々得意なタイプではなく、世界中のメディアを前に話すことに大きな不安を抱えるようになっていた」という。今回の全仏前は精神面で脆くなっていたため、「いくつかのルールは時代遅れだと思い、それを強調する」ためにも、「アスリートの心の健康状態が無視されている」ことを理由に、試合後の記者会見に応じないことを表明した。

 数々の栄光を手にしたスーパースターも、まだ23歳の女性だ。心を開ける人間には天真爛漫の明るい姿をみせる一方で、意図を測りかねるメディアの質問には顔を曇らせるナイーブな一面がある。四大大会主催者から連名で出場停止を警告された際は、自身のツイッターに「怒りは理解の欠如です。変化は人を不快にする」と反発。インスタグラムのストーリー機能では「Good bye&Good RIDDANCE」(さようなら、せいせいする)と記していた。

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