日本オリンピック委員会(JOC)が入るビル
日本オリンピック委員会(JOC)が入るビル
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 6月7日午前9時20分ごろ、東京都品川区の都営浅草線中延駅で、ホームに入ってきた電車に男性が飛び込み、死亡が確認された。亡くなったのは、日本オリンピック委員会(JOC)の経理部長Aさん(52)で、状況から自殺とみられる。遺書はなかったという。

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「東京五輪・パラリンピックを目前に控えてでしょう。信じられませんね」

 こう話すのは、JOC関係者だ。Aさんは都内の大学卒業後、JOCに入り、ずっと事務職を担当。経理関係の仕事を長く手掛けていたという。

 東京五輪・パラリンピックの招致を巡り、賄賂を贈ったとする疑惑で数年前からフランス司法当局から捜査対象となっているJOC。竹田恒和前JOC会長が理事長を務めた東京五輪・パラリンピック招致委員会(現在は解散)からシンガポールのコンサルタント会社に約2億3000万円がコンサルタント料として支払われたことが判明している。

 この資金が開催地決定に強い影響力を持っていたとされる、元国際オリンピック委員会(IOC)委員でラミン・ディアク前国際陸連会長と、その息子であるパパマッサタ氏に五輪招致前の2013年7月と招致決定後の同年10月に送金され、賄賂だという嫌疑が持たれている。

 JOCは独自調査を発表し、支払った資金は招致活動のコンサルタント料であり、招致委員会の行為に違法性はなく、IOCの倫理規定上も問題がないと結論づけた。

 だが、当時、招致委理事長でJOC会長だった竹田氏が送金を決裁したこと、成功報酬の支払いを約束し、実行したことについて「疑念を持たれる」とも報告書には記されていた。

 疑惑発覚後、フランス当局が捜査に動き、竹田氏は疑惑の渦中の19年3月に任期切れでJOC会長を退任した。

 竹田氏が決裁したパパマッサタ氏の会社に送金された約2億3千万円の原資は、政財界の裏金が使われたとの憶測も呼んだ。また招致活動の支出計約18億円分の経理書類についても、保存期間内であったにも関わらず、紛失し、多くの使途不明金が発生していた。

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燻る東京五輪を巡る賄賂疑惑