多賀さんは、小室さんが論文に添えたプロフィル欄にも舌を巻いた。

「趣味をジャズピアノと記載した点はさすがです。NYはジャズの聖地の一つですからクラシックよりも親しみを持たれやすく、ホームパーティー開くから弾いてよ、と声もかかりやすい。趣味のよい人間だとアピールできます。コネ作りには効果的ですね。米国は、小室さんのような戦略的な人間は歓迎しますから、水があっているのでは」

 米国での就職が有力視される小室さん。だが、そこに一抹の不安を感じてしまうのは、同じくロイヤルファミリーと国民に受け入れられず、批判を浴びた「先輩」メーガン妃が、ヘンリー王子を伴い「告白」という王室の暴露を始めたからだ。

 昨年夏、メーガン妃の応援団であるライターらを著者として、王室との確執を記した自伝、『Finding Freedom(自由を求めて)』を出版。さらに、今年3月には米CBSテレビのインタビュー番組にヘンリー王子とメーガン妃が、5月には米国人俳優の務めるポッドキャスト番組「アームチェア・エキスパート」に王子が出演した。

 番組でふたりは、王室で人種差別にふれる会話があったことや、メーガン妃が自殺を考えたことなどを赤裸々に告白した。ヘンリー王子は王室での生活について、

「映画の『トゥルーマン・ショー』と動物園を足したようなもの」  

 と、苦悩を吐露した。

 この告白に対して、英国と米国の評価は、真逆だった。英国の著名やジャーナリストやテレビ司会者、メディアは、ふたりを猛烈に批判した。一方の米国では、「勇気ある告白をした」メーガン妃を称賛する声の方が勝った。

 米ホワイトハウスのサキ報道官は、メーガン妃が自殺願望を告白したことに触れ、「メンタルヘルスとの闘いについて話すのは勇気がいる」とコメント。セレブも応援に加わる。米人気歌手のビヨンセは、3月のインタビューが放映されると、自身の公式サイトに、こうつづった。

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ロイヤルという存在に愛憎半ばの感情