ヒロインに抜擢されたNHK連続ドラマ小説「カーネーション」(2011年)の撮影現場で30歳の誕生日を迎え、その後は映画にドラマに引っ張りだこ。プライベートでは芸人のほっしゃんや俳優の高橋一生と浮名を流し、30代で芸能事務所・LDHの役員との結婚離婚を経験。公私において転機を迎えた時期でもあった。今や日本映画界になくてはならない実力派女優となったが、そんな彼女も今年11月で40歳を迎える。

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、尾野真千子の魅力についてこう分析する。

「まさに『役を生きる』を地で行く女優だと思います。それだけでなく、演者である前に一人の人間としてもがき苦しみながらもまっすぐ誠実に歩んでいこうとする姿勢が垣間見えますし、数々のエピソードからも気さくで飾らない人柄がうかがえます。昨年放送され、今年映画にもなった『心の傷を癒すということ』(NHK総合)では、主演の柄本佑演じる医師を支える妻役を演じ、非常に印象に残る芝居をみせてくれました。代表作はやはり『カーネーション』だと思いますが、きっと視聴者や観客それぞれに好きな彼女の出演作があり、“尾野真千子”という存在が深く刻み込まれているのではないでしょうか。彼女の人物像を一言で表すなら、“しなやか”という形容が最もふさわしいと思います」

 年を重ね、ますます演技の幅を広げる尾野。スタッフからも役者仲間からも厚い信頼を得る尾野真千子は、現在の映画界において「最強の女優」かもしれない。(高梨歩)

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