監督 デヴィッド・ホーン/7月2日から東劇ほか全国順次限定公開/117分 (c) Jason Niedle
監督 デヴィッド・ホーン/7月2日から東劇ほか全国順次限定公開/117分 (c) Jason Niedle
監督 デヴィッド・ホーン/7月2日から東劇ほか全国順次限定公開/117分 (c) Jason Niedle
監督 デヴィッド・ホーン/7月2日から東劇ほか全国順次限定公開/117分 (c) Jason Niedle

 7月2日から「ジャニス・ジョプリン」が全国順次限定公開する。1970年に収録されたジャニスの遺作にして代表作でもある「パール」は、今年、発売50周年を迎えた。このブロードウェー版は、批評家や芸術界から絶賛され、トニー賞ミュージカル部門最優秀女優賞にノミネートされた。

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 1967年に音楽シーンに登場して以来、爆発的な人気を獲得し、またたく間に元祖・音楽フェスティバルの女王にして伝説のロック・スターとなったジャニス・ジョプリン(メアリー・ブリジット・デイヴィス)。生々しい情感に溢れ、アメリカ南部ならではのおおらかさを感じさせるその歌声は、人々を魅了し続けた。

 舞台では、数々の名曲をジャニスが熱唱し、彼女が音楽的にも影響を受けたアレサ・フランクリン、エタ・ジェイムス、オデッタ、ニーナ・シモン、ベッシー・スミスも登場し、ともに感動のステージを披露する。

 そんな中、ジャニスが自らの物語を語り始める。生涯「孤独」と闘い続けたジャニスの生きざまとは?

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
ジャニス・ジョプリンのことは知らなくても、演じる女優の荒々しくどこか物悲しげでもある歌声と歌詞によってジャニス本人が見えてくる舞台劇。それをとらえるカメラが劇場内の空気も写し取って圧巻の魅力を生んでいる。

■大場正明(映画評論家)
評価:★★★
ジャニス役にこれ以上ないと思わせるアーティストの圧巻のパフォーマンス。ベッシー・スミスやアレサなど、ジャニスに影響を与えた女王たちを讃えるだけでなく、女性同士の連帯が浮かび上がってくる構成も素晴らしい。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★
ライブのMCをも人生の物語にする斬新な描き方。ジャニス役だけでなく、皆の迫力が半端ない。誰がメイン?「アイ・シャル・ビー・リリースト」は魂が震えました。ジャニスファンじゃないけどホンモノの歌唱にシビレた!

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★
ジャニスが主役のミュージカルという難題をクリアしているのが何より素晴らしい。台詞を使わずジャニスの曲の歌詞だけで描くのも功を奏している。影響を受けたアレサ・フランクリンなどが役で登場するのも見応えあり。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2021年7月2日号