不登校の子どもの数が24万人超と、過去最多になった。親の立場で大切なのは一人で悩みを抱えないこと、つながることだという。AERA 2022年12月12日号から。
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「いちばんきつかった時は、一人で抱え込み、自分がどうにかしなきゃっていう気持ちが強かったのだと思います」
不登校の子を持つ親が自分を責め自信をなくす場合、一人で悩みを抱えているケースが多い。先の全国ネットのアンケートでも、「不登校の相談先があったか」の問いに、6.3人に1人が「なかった」と答えた。
そうした中、重要とされるのが親の居場所だ。埼玉県川越市で「川越不登校親の会」を主宰する木本晃子さん(47)は、「できれば親は誰かと接点を持ってほしい」と話す。
「不登校の子の親が誰とも接点を持たずに孤立すれば、親子で孤立し、ともに追い詰められていきます」
木本さん自身、中学生から高校生まで3人の子どもがいるが、全員が不登校経験者。
最初に長男が不登校になった時、自分を責め、孤立した。そうした経験から親同士の「接点」をつくる目的で昨年2月に立ち上げたのが、親の会だ。親として何が正しいかではなく、まずは参加者が自分の気持ちを安心して自然に話せるような場でありたいという。月1回開催し、毎回20人近くが参加して胸の内を話す。
「親の会に来ると、子どもが不登校で苦しんでいるのは自分だけではないとわかります。そして一緒に泣いたり笑ったりすることで、気持ちが緩み楽になります。親が楽になると、子どもも楽になります」(木本さん)
親の会のような当事者会は全国にある。また、SNSでもLINEの不特定多数が参加できるオープンチャットで不登校の親が集まるサイトもある。
■自分一人ではない
長男が不登校になり、「この子を産んでよかったのか」と自問自答を繰り返していた関東地方に住む女性(40代)を支えてくれたのも、「親の会」だった。長男が自傷行為を繰り返しこの先どうなるかわからない不安を抱える中、ネットで自宅近くの親の会を見つけ参加するようになった。
「(大きかったのは)まず、私一人じゃないってことです。子どもが不登校で悩んでいるのは私だけだと思っていましたから」