NPBアワーズで挨拶する侍ジャパンの栗山英樹監督
NPBアワーズで挨拶する侍ジャパンの栗山英樹監督

 もちろん、一発勝負の戦い方と長いシーズンをこなしていく戦い方は違う。だから1戦やっただけの結果で、その国の優劣を決めることはできない。ただボールのキレ、スイングスピード、パワーといった一つ一つの要素は、戦った選手たちなら感じることができる。日本の野球界がしっかり世界の野球のレベルアップについていけているのか。逆に日本の進化のスピードが上回っているのか。勝敗の行方だけではなく、そうした観点からも見ていきたいと思う。

 栗山英樹監督はどんなメンバーを選ぶかな。1月末には大会側に出場選手リストを出さなければいけないだろうが、大会直前まで故障選手の変更は可能になる。最後の最後までコンディションを見極めることになろう。国際大会は、普段野球をあまり見ない方々も、目を向けてくれるようになる。勝つことがもちろん一番ではあるが、これからの日本の野球界にとって前向きになれるようなものを持ち帰ってきてほしい。選手には、少年少女に夢を与えるようなプレーを期待したい。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2022年12月16日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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