同書によると、大腸がんの早期に行われる内視鏡手術なら費用は約16万円、入院期間が3日間程度ですむ。一方、進行したがんで行われる開腹手術なら約146万円、34日間になる(健康保険で1~3割)。進行がんではここに薬物治療も必要で、さらに239万円ほどかかる(同)。

 胃がんも同様、早期と進行したがんとでは、大幅に治療費が違ってくる。

「もちろん、高額療養費制度など公的な制度を活用すれば治療費は一定の金額で収まります。しかし、入院中の食事代や差額ベッド代は対象外で、長期的な入院が必要になると、それなりの費用負担が出てきます」(御喜さん)

 早期に見つかれば治療の選択肢も広がり、セカンドオピニオンを付けることもできる。御喜さんは「がん検診は不要不急ではない」ときっぱり。

「国が推奨するがん検診のうち、胃がんや乳がん、子宮頸がんは受診間隔が2年に1回です。昨年受けていない人が次に受けるのは来年になります。それでは遅いので、未受診の人は今年度中に受けられるよう、自治体などに相談しましょう」(同)

(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2021年7月16日号より抜粋

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