久保建英 (c)朝日新聞社
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 東京五輪で金メダル獲得を目指す男子サッカーU-24日本代表。22日には南アフリカとの1次リーグ初戦を迎える。

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 攻撃の核として期待されるのが、19歳のMF久保建英だ。独特な間合いで相手を抜き去るドリブル、左足から繰り出される高精度のパスで試合を支配する。その卓越した技術は日本代表の中でも際立っている。

 ただ、来季の去就は不透明だ。所属するレアル・マドリードからレンタル移籍の可能性が高く、スペインのスポーツ紙「アス」は現地時間15日に、レアル・ソシエダが移籍先候補に浮上していることを報じている。

 2019年6月に5年契約でレアル・マドリードに移籍。マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェとレンタル移籍でプレーしているが、周囲に強烈なインパクトを残す結果は残せていない。ビジャレアルではリーグ戦の先発出場が2試合。途中出場を含めても13試合と少なかった。ヘタフェでも加入当初は先発出場していたが、徐々に出場機会を減らしていく。5月16日に行われたラ・リーガ第37節のレバンテ戦で、左足一閃の今シーズン初ゴールを奪取。1部残留を確定させる値千金の一撃でチームを救ったが、シーズンを通じて主力として活躍はできなかった。

「レンタル移籍の難しさを感じます。久保みたいにボールを保持して周囲とのコンビネーションでゴールを奪う選手はチームにフィットするのに時間がかかる。ビジャレアルの時はカウンターサッカーで、守備の強度に物足りなさがある久保は戦術にうまくかみ合わなかった。1年ごとにチームが変わるより、スタメンでプレーできるチームにレアルから完全移籍した方が成長のスピードが速いと思います」(スポーツ紙サッカー担当記者)

 FCバルセロナの下部組織カンテラに入団テストで合格し、スペインに渡ったのが10歳の時。欧州の本場でもまれた技術は異次元だった。15年3月にFC東京の下部組織に入団すると、中学3年ながらFC東京U-18に飛び級で昇格し、日本クラブユースサッカー選手権で大会史上初となる中学生で得点王に。16歳でFC東京とプロ契約を結ぶと、横浜F・マリノスのレンタル移籍を経て、攻撃の中心選手になった。課題だったオフ・ザ・ボールの動きに磨きをかけ、欧州の複数のクラブの争奪戦の末、レアル・マドリードへの移籍を決断した。

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