リオ五輪でも男子400mリレーにも出場した山縣亮太 (c)朝日新聞社
リオ五輪でも男子400mリレーにも出場した山縣亮太 (c)朝日新聞社
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 空前のメダルラッシュが続く東京五輪の日本。7月30日から始まる陸上トラック競技では、“史上最強”と言われるメンバーが揃ったリレーチームが「男子400mリレー」で初の金メダル獲得を狙っている。

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 頂点を狙えるだけの実績を積み上げてきた。始まりは2008年の北京五輪。塚原直貴、末續慎吾、高平慎二、朝原宣浩のリレーチームが銅メダル(のちにジャマイカ代表のドーピング違反失格で銀メダルに繰り上げ)を獲得。2012年の(山縣亮太、江里口匡史、高平、飯塚翔太)では5位(のちにアメリカ代表のドーピング違反失格で4位に繰り上げ)に終わったが、前回2016年のリオ五輪では山縣、飯塚、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥の4人が、堂々のレース運びでウサイン・ボルト擁するジャマイカに続く2位で銀メダルを手にした。その後、2017年のロンドン世界選手権(多田修平、飯塚、桐生、藤光謙司)、さらに2019年のドーハ世界選手権(多田、白石黄良々、桐生、サニブラウン・ハキーム)と、いずれも銅メダル。迎えた東京五輪では、周囲からの期待が「金」へと高まるのも当然の流れと言っていい。

 メンバーの層は厚い。男子100m代表の多田、山縣、小池祐貴と、リレー専門メンバーの桐生、デーデー・ブルーノに、200m代表のサニブラウン、山下潤、飯塚を加えた8人が候補者。最も充実しているのが多田で、自己ベストは10秒01ながら自慢のロケットスタートで6月の日本選手権を制した。頼りになるのが、今年6月に9秒95の日本記録をマークした山縣で、安定感は随一。ここに自己ベスト9秒98の小池、同10秒19ながら進境著しい新鋭のデーデー・ブルーノ、そして日本選手権ではアキレス腱痛もあって5位に終わったが、自己ベスト9秒98でリレーの経験も豊富な桐生、同じく一時は調子を落としたが自己ベスト9秒97で高い能力を持つサニブラウンが控える。「自己ベスト9秒台4人+日本選手権王者&怖いもの知らずの新鋭」という面子は、間違いなく日本史上最強だ。

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タイムを見ても“著しい進化”