入院生活は、想像以上につらかった。ボクは、どちらかというと体力はあるほうだから、普段であれば、少しぐらいの熱であれば、そこまでつらさは感じないんだけど、今回は違った。とにかく全然熱が下がらない。38度5分~39度5分をいったりきたりする日が数日続くと、「これ、いつまで続くんだろう」「もう回復しないんじゃないのか」って、精神的にも弱っていく自分にも気付く。心電図や酸素濃度計もつけた。点滴を使えば、一時的には熱が下がるんだけど、またすぐに熱は上がった。これは言い過ぎなんかじゃなく、一瞬、「死」も頭にはよぎったよ。
医療従事者の方々の献身的な治療のおかげで、入院して4日目には、熱も少し下がって、7日目には症状も落ちついた。8日目からは、軽いストレッチができるくらいまで回復。7月29日には、無事に退院することもできた。体重はなんと7キロも落ちていたよ。
入院中は、大変だったけど、いろんな人たちから、メールや電話などで励ましの連絡が届いたのは、ほんとうにありがたかった。中でも、ビビる大木さんとたかみな(高橋みなみ)は、毎日のように連絡をくれた。大木さんにいたっては、レギュラー出演している「ラヴィット!」(TBS系)で、ボクと一緒に写っている写真を紹介してくれたりして、「クロと遊んでいると楽しいんだよね」とか、思い出話を語ってくれていた。いつもは、ボクのこと「イメージが悪くなるから一緒にいたくないんだよね」とかって言ってるのに(笑)。テレビ越しに、なんか励ましてくれているような気がして、すごく元気が出た。たかみなも、夫婦揃って、心配してくれてありがとうね。ささいなやりとりにすごく救われたよ。
あと、SNSでも、たくさんの人がコメントをくれたのも嬉しかった。普段、ボクのSNSは、アンチコメントがすごく多いんだけど、今回は真逆のコメントばかり。「死なないで」っていうコメントには最初は少し戸惑ったよ(笑)。ボクのSNSって、アンチコメントも大喜利みたいなものが多くて、それが面白くて、フォローしてくれている人もたくさんいるのに、今回は、かなり気を使わせちゃったみたいで、ほんとうにごめんね。ボクは完全回復したから、もう思う存分、好きなようにコメントしてね。もう少し優しくしてくれてもいいけど?(笑)
いろんな人に、たくさん元気をもらったから、今度はボクがみんなに返す番だしん!
クロちゃん/1976年12月10日生まれ。広島県出身。2001年4月に団長安田、HIROと「安田大サーカス」を結成。スキンヘッド、強面には似合わないソプラノボイスが特徴
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)