――常に向上心と謙虚さを忘れない。それは自身が持っている一番の強みかもしれない。
謙虚であろうとは、そんなに意識しないですけど、いろいろな方に支えられて自分たちが成り立っていることは、よくわかっています。
僕は上下関係において、経験した人生の長さ=年齢、というのを大切にしたいと思っているんです。一日でも僕より長く生きている人は、きっと僕が知らないことを知っていたり、尊敬できるところがあると思う。でも僕がいる世界は、明らかに仕事面でも人生の面でも先輩であるスタッフさんが、僕らに敬語を使って接してくれて、不思議な習慣だなあと思っています。正直言うと、いまだに慣れないし落ち着かないです。タメ口でいいのにな、と。そんなことをずっと思ったりしていますね。
■脱線しているけれど
――この先、どんなふうに進んでいきたいか尋ねると、「僕もよくわからない」と笑った。
きっと決めたところで、一直線にはいかないと思う。どこかで寄り道をしたり、思わぬ道が出てきたり。だって、いまの自分も、昔の僕がイメージしていた場所じゃないですからね。「天然キャラ」って言われる存在ではなくて、もっとクールなアイドルになるはずだったんです(笑)。そこからして脱線しまくっているので。
ただ、最終的に辿り着きたい場所はあります。皆を幸せにしたい。世界中の人が僕たちを見て幸せになってくれるような存在になりたいんです。大きい夢だけど、それだけは胸に持ち続けて守っていきたいです。
(ライター・大道絵里子)
※AERA 2021年8月16日-8月23日合併号