■演じる瞬間のスイッチ
――俳優としてもコンスタントに経験を重ねているが、前作から成長した部分を尋ねると、質問に被る勢いで「ないです!」と言った。
僕は、いわゆるオンとオフがないんです。コンサートでも楽屋と同じテンションでステージに出ていく感覚なんですけど、唯一、演技をしている瞬間だけは違うスイッチが入る。その瞬間だけは自分じゃない人になって、その人生を生きられるので、そのことに気づいてからはだんだん演技が楽しく感じるようになってきました。ただ、演技はホントに難しい。
自分の作品を見ると、ここはもっとこう演じておけばよかったなとか、足りないところばかりに目がいってしまうんです。たとえば、前作の「かぐや~」でも、2パターンの演技を考えて両方撮ったシーンがあるんです。自分はこっちがいいだろうなと思っていた方は使われなくて、違った方が採用されていました(笑)。それは僕にしかわからない後悔ですけど、そういうことも含めて難しいなぁと思います。基本的に反省してばっかりです。
■100点中1点か2点
――King&Princeは抜群の人気を誇り、ソロでも多方面で活躍を続けている。だが、自分に厳しい一面もある。現状の満足度を尋ねると、驚きの回答が返ってきた。
100点中、1点です。ファンの方々がいてくださるということで1点。でも、こうやってみなさんに取材していただいたり、テレビに出させていただいたり、コンサートをやらせていただけることで、もう1点追加して2点かな。自分を褒めてあげたいみたいな瞬間は、滅多にないですね。
あ、でも今年5月に発売した「Magic Touch」は今までジャニーズではやったことないようなヒップホップに挑戦したんです。僕がやりたいと主張して、振り付けや衣装の方向性も決めた。すごく大変ではありましたが、良いものができて、みなさんにかっこいいと言ってもらえたので、頑張って良かったと思えました。