
近年注目を集めるHSP(Highly Sensitive Person=とても敏感な人)さん。共感力が高く、刺激を受け取りやすいという性質を持っています。インスタグラムフォロワー14万人を突破する人気HSPアドバイザーのゆりかさんが、繊細な人たちが生きやすくなるヒントを紹介します。「本音を言おうとすると涙が出てくる」というあなたへ。ゆりか著『本音を言おうとすると涙が出てくる』から一部を抜粋・再構成して掲載します。
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■本音が言えなかった会社員時代
抑えていた気持ちを言おうとすると、感情があふれ出してきて、涙が出てしまうHSPさん。
かくいう私自身も会社員時代に、「本音を言おうとすると涙が出てくる」という経験をしました。
新入社員時代に、ちょっぴり厳しい先輩のもとで、怒られないようにビクビクしながら仕事をしていました。
そしていざ、ミスをして指摘を受けたとき本音では、「理不尽じゃないかな」「しんどいな」と思っている自分もいることに気づいていました。
けれども、「怒られるのはありがたいこと」と自分に言い聞かせ、「悲しかった気持ち」や「理不尽に感じた気持ち」は抑え込んでいたのです。
でもあるとき、その様子を見ていたパートの方から、こんな一言をかけられました。
「ずいぶん厳しくされているみたいだけど、大丈夫?」
この言葉を聞いた瞬間に、涙で目の前がかすみました。
「つらい」という本心を言ったら、涙があふれ出してしまう自分の姿が想像できました。
なので、「大丈夫です」と答えるのが精一杯でした。
その後も、周りから心配の声をかけてもらったにもかかわらず、「泣くのは恥ずかしいことだ」「ダメなことだ」と思って、本心を言うことはできませんでした。
■自分の気持ちに嘘はつかない
そんな私も退職を決意したときに、やっとつらかった本心を打ち明けることができたのでした。
そのときに上司から言われた言葉にハッとしました。