この記事の写真をすべて見る
 コロナ禍で海外との往来が激減した昨今ですが、今でも絶えず海外と仕事をしている職業があります。それがYouTuberです。

 インターネットのおかげで、自宅にいながら世界中の情報を得ることができます。動画を用いれば、文化や言語などのカルチャーを知ることもできます。YouTubeのインドのダンスやスペイン語の音楽、アメリカの子供向けコンテンツや韓国のコンテンツなどには、文字通り桁違いの再生回数をたたき出す動画やチャンネルが存在します。公開して1日で数百万回、3カ月で1億回以上再生される動画や、登録者が3000万人、5000万人、1億人など、日本の人口に相当するくらいの登録者を抱えるチャンネルもあります。全てが桁違い、「デカすぎる」世界が存在します。彼らの収益がいくらなのか、考えるだけでワクワクすると思います。TikTokでも、海外で再生されると再生回数もフォロワーも恐ろしいほどの勢いで伸びます。海外戦略について興味を持つ人々も少なくありません。

 かつて私は、自分のYouTube動画の70%が海外での再生でした。海外は「桁違い」の再生回数をたたき出せるので、1週間で1000万回ほど再生された動画も何本もありました。放っておいても1日に100万回再生されるような動画もありました。これらの動画を全て非公開にし、現在は、95%を国内つまり日本でのみ再生させるようにしています。

 なぜ、あえて海外から日本に、グローバルからドメスティック再生に転向したのかというと、再生による広告単価の差が著しいからです。YouTubeの動画には広告がつけられます。収益化したチャンネルで動画が再生されると、動画の間に流れた広告の収益を受け取れます。この金額は、国や広告主によって大きく異なります。端的に言えば、日本で1000万回再生された動画の広告収益は、平均的には300万円ほどになります(ジャンルによって大きく異なります。あくまでも平均値としての数字です)。

次のページ