一方で、他球団のスコアラーは「菅野は一時期の不調を脱した」と警戒する声もある。

「DeNA戦は大量失点してしまいましたが、その前のヤクルト戦はカットボールやスライダーがコーナーにきっちり決まり、直球も威力十分で打者を差し込んでいた。ああいった投球をされると、強力なヤクルト打線でも外野に飛ばすことさえ難しい。前半戦は右肘が万全でなかったのか直球の球速が試合途中にガクッと落ちていたが、後半戦に入って球の質が上がっている。変化球にばらつきがあるが、これから精度を上げていくでしょう。優勝争いが佳境に入ってきますが、キーマンになる存在だと思います」

 9月に入り、巨人は1勝4敗2分けと苦しい戦いが続いている。守護神・ビエイラが右肘違和感で戦線離脱し、先発は救援陣の負担を減らすために長いイニングを投げることが求められる。苦しみ抜いた菅野だが、このままでは終われない。逆転優勝でリーグ3連覇に向け、先発の中心にならなければいけない。完全復調なるか。(江口顕吾)

[AERA最新号はこちら]