コロナ・バブルの崩壊も想定される今、積立投資を始めることは、この意味でも合理的な行動だと考えられます。
また、投資対象資産は分散を効かせることが重要です。異例の金融緩和のなかで、いずれかの資産クラス(例:株式、不動産、暗号資産など)に価格の歪みが生じ、ミス・プライシング(実体を超える値付け)が行われている可能性がありますが、どの資産クラスやどの個別銘柄の価格が歪んでいるのかを特定することは困難です。
米国FRBのテーパリングが年内にも予想されるなか、今回の上昇相場は最終局面に近づいている、という認識に立てば、特定の地域や資産クラス、銘柄に投資資金を集中することを避け、空間分散(投資地域を分ける)、資産・銘柄分散(投資対象の資産クラスや銘柄を分ける)を心掛けることが重要です。
初めて投資を始められる方や若い方には、分散が効いた手数料の安い投資信託を選び、売却益非課税などの税制優遇が受けられる「つみたてNISA」や「iDeCo」を活用して、ぜひ「長期・分散・積立投資」を始めていただきたいと考えています。
投資を始めるタイミングとして、“コロナ・バブル”かもしれない現在も決して悪くはない。
筆者は30年の金融パーソンとしての知見とリーマン・ショックをくぐり抜けてきた投資体験から、そう考えています。

