テーパリングとは、資産買い入れを止めることを意味するものではなく、買う量を減らすだけであり、テーパリングが始まっても、市場へのマネー供給は続きます。
実際、前回の金融引き締めでも、FRBが資産買い入れを完全に止め、市場への資金供給が止まったのは利上げ後でした。
このように、仮に年内にテーパリングが始まっても、カネ余り状態は終わらず、低金利とカネ余りを背景とした金融相場の「宴」はまだ続く可能性が大きい、という見方があり、それが堅調な市場を支えています。
つまり、ここからさらに株価や資源価格は上昇する可能性もあるのです。
■株式市場の急落にも強い「長期・分散・積立投資」
「まだ株価が上昇するなら、資金を一度に投入して投資を行いたい」、と考える方もいらっしゃると思います。
しかし、筆者は、今後の投資においては、市場で大幅な価格調整(下落)が起こる可能性があることを念頭においた投資スタンスが重要だと考えています。
筆者がお勧めするのは、積立型の投資です。
つまり、手元資金を一気に投資するのではなく、毎月、毎週など、一定のインターバルをおいて、同額を投資していく「ドルコスト平均法」を活用した積立投資――定時定額投資――が、“バブル崩壊前夜”かもしれない現時点に最適の投資法です。
一括投資の場合は、投資のタイミングが相場の底値に近いことが、利益を上げるための絶対条件です。しかし、実際には、いつが底でいつから上昇するかなどを当てることは、ほぼ不可能です。
一方、積立投資の場合は、スタートのタイミングは底値である必要がありません。
詳細説明は省略しますが、「定時定額投資」の場合、相場の底値で投資を始めるより、相場下落中に投資を継続して行い、その後、相場が底を打って反転するパターンの際に、もっとも利回りが高くなる傾向にあります。
筆者自身、13年前、リーマン・ショックの直前に積立投資を開始しました。1年もたたないうちに相場が急落し含み損を抱えましたが、市場下落時にも「定時定額投資」を止めなかったことから、平均購入単価が下がり、13年間の平均利回りは6%、500万円という大きな利益に繋がりました。