9月に入り2勝6敗3分けと失速した巨人日本ハムから無償トレードで獲得した中田翔が打率.150、1本塁打と機能せず、11日にファーム降格。8月下旬に今季初の1軍昇格した陽岱鋼もわずか2週間で登録抹消となった。

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 そして、丸佳浩も9月2日のヤクルト戦から6試合連続無安打。9打数連続三振を喫すると、9日のDeNA戦(横浜)でスタメン落ちした。途中出場で9回に26打席ぶりの安打となる同点適時打を放ったが、復調のきっかけにならず。スタメン出場した10日の中日戦(ナゴヤドーム)で4打数無安打に終わると、11日の同戦は代打で空振り三振。12日の古巣・広島戦(マツダ)は1点リードの9回に「守備固め」で中堅の守備位置についた。

 他球団のスコアラーは「丸が守備固めはぜいたくすぎる起用法ですよ」と苦笑いを浮かべながら続けた。

「スランプに入ると長いんですが、爆発すると手が付けられない。トータルで見るときっちり結果を残す選手なのですが、起用法はなかなか難しいと思います。巨人は代わりの選手がいますしね。ただ、スランプの時に外してしまうと、復調のきっかけも失ってしまう。個人的には7番や8番の下位でも丸がスタメンに名を連ねている方が嫌ですね」

 積み上げてきた実績は言うまでもないだろう。広島に在籍時は16年からリーグ3連覇に大きく貢献。17年は打率.308、23本塁打、92打点でセリーグMVPを受賞。翌18年も打率.306、39本塁打、97打点で2年連続セリーグMVPに輝き、最高出塁率(.468)のタイトルを獲得した。18年オフに巨人にFA移籍すると2年連続全試合出場でリーグ連覇に貢献。19年は打率.292、27本塁打、89打点、昨季は打率.284、20本塁打、77打点とチームで唯一の2年連続全試合出場ときっちり結果を残している。

 ただ、広島時代から丸を見てきたスポーツ紙記者は昨年の終盤から「ある変化」を感じたという。

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衰えではないと思う