同調査の結果、配偶者の呼び方は、夫と妻ともに「名前や名前にちなんだニックネーム」が全体の46%と最も多かった。次いで、夫は約3割弱が「(子供の)お母さん、ママ」など、妻は「(子供の)お父さん、パパ」などで全体の約4割弱を占めた。昭和の家庭でみられたような「おい、ねえ」「あなた、おまえ」は、かなり少数派だ。
年代別でみると、夫は60代を除く全世代、妻は20代~40代が『名前や名前にちなんだニックネーム』呼びをしていると回答していた。若年層の20代や30代では、約7~8割近くが名前呼びをし合っており、10年前よりはるかに多いという。
たとえば、こんなニックネームで呼び合う夫婦もいた。なんとも微笑ましく、仲の良さが伝わってくる。
「結婚直後に飼った子猫の名前が『ミイ』。最初はおたがいの名前で呼び合っていた私たちも、ひょんなことから私の名前『ハルナ』をもじって『ミイナ』、夫の名前『コータ』をもじって『ミイ太』に。最初は少々混乱ぎみだった猫も今ではすっかり慣れ、猫キャラ家族のように呼び合うスタイルが定着。親たちからは『変な呼び方』と、けげんな顔をされるが私たちは気にしない(笑)」(28歳・美容師)
配偶者の呼び方は夫婦関係に何か影響を与えるのだろうか。
「今回の『夫婦関係調査2021』の別の質問項目では、夫婦関係の満足度をたずねています。その質問で満足度が高いと答えた人のほとんどが日ごろから名前やニックネーム呼びをしていることが明らかになりました。お互いの呼び方と夫婦関係満足度は大きく関係していることがうかがえます」(金井さん)
「旦那」はよくても「主人」「亭主」には抵抗感
一方、夫婦間以外ではパートナーをどう呼んでいるのか。同調査によると、他人に話すときの自分の配偶者の呼び方では、夫は20代を除いて「嫁、嫁さん」が、妻は60代を除き「旦那、旦那さん」が全世代でトップ。ちなみに、20代男性では「名前」、60代女性では「主人」という呼び方が首位だった。参考値で10年前と比較すると、20代夫による「嫁」呼びは大幅に減少しているが、配偶者のことを他人に「奥さん」と丁寧な呼び方をする夫が増えているという。