「補助金のぼったくりの話ですけども、看護師さんなんかを確保するのに難しいという理由はあったにせよ、実際に確保した病床よりも、実際に入れた患者が少なかったという事実はある。この事実に関しての補助金の扱い方については、国や自治体が方針を示すと思いますから、その方針に従って適切な行動をとりたいと思っています」
◆厚労省幹部が「由々しき問題」
今回、新たに問題になっているのは、コロナ関連で多額の補助金を受け取り、法人全体の収益をあげながら、その収益が有価証券の運用に使われているということだ。この実態は政府関係者の間でも問題視され始めている。厚労省の幹部はこういう。
「コロナ関連の補助金が大部分を占めるJCHOの収益が、結果的に有価証券購入の原資として間接的に還流されているとみています。補助金収入がきちんとコロナ病床や患者医療に還元されず、有価証券などとして内部留保されていることは厚労省としても由々しき問題と考えています。尾身氏の経営判断を尊重する必要はあるのですが、自身があれだけ『医療ひっ迫』を主張する中で、このような経営は受け入れられないのではないでしょうか」
法人が自身の資金をどう運用しようとも、適切なプロセスを踏んでいれば問題はない。しかし、コロナ関連で受け取った補助金によって大幅に収益をあげて、それを間接的にでも投資に回していたとしたら、批判や疑問の声も出るだろう。
JCHO職員によると、補助金収入の大幅増と有価証券の取得増は「無関係ではない」という。他の民間医療機関と同様にJCHOもコロナの影響などにより病院経営は収益の柱となる医業収益が減となるなど厳しい環境下にある。こうした中で有価証券残高を130億円増やすことができたのは、「補助金収入が大きく寄与した」(前出の職員)という。
◆尾身氏からの回答は?
JCHO理事長の尾身氏はどう答えるか。尾身氏宛に、補助金で収益をあげながら多くの資金を有価証券で運用するのが適切と思うか、補助金を投資で使っている事実はないかなど書面で見解を質した。