一方で、若い恋人たちの旅立ちの基盤を整えるために、忙殺されたのが官邸サイドだ。
各省庁の官僚や政府首脳陣が、眞子さまの「一時金」について、うまい出口を探して、頭を突き合わせて議論を重ねたという。
一時金は皇室経済法で、「品位保持の資に充てるために支出される」と規定されたお金で、戦後に結婚した女性皇族に支給されてきた。眞子さまの一時金は最大1億5250万円とされる。
1年半ほど前から、眞子さまは「受け取らない」意向を周囲に示してきたが、ご本人の意向を受けて、支給しない方向で宮内庁や政府が最終調整をしている最中だ。
結婚に批判的な世論に配慮した結果と見られる。しかし、法律で規定された事項だけに、「ご本人が希望するから」といった理由で簡単に変更できるものでもない。「異例の辞退」をめぐって政府内がバタついたのは想像に難くない。冒頭の官邸関係者は、こう話す。
「そもそも皇室経済法では、『辞退』という事態を想定していませんでした。ですから、その適否や手続きについて法制局の見解を聞きながら、政府内で議論を重ねてきました。いっときは、『辞退には法改正が必要』といった意見も出ましたが、解釈の範囲でうまく整理ができたようです」
この関係者は「内容が内容だけに、委ねられる皇室経済会議(総理、衆参院議長ら)も困るだろう」と苦笑しながら、こうつぶやいた。
「政府としては、小室さんがこれ以上騒ぎを広げる前に、NYに行ってほしいというのが偽らざる本音です。ともかく、新総理総裁の誕生前に終えることができそうで、良かったのかもしれません」
異例続きの内親王の結婚を実現させるために、官邸サイドも右往左往したようだ。
(AERAdot.編集部 永井貴子)