岸田氏と野田氏(C)朝日新聞社
岸田氏と野田氏(C)朝日新聞社

「前回の反省を生かして、岸田派だけでなく、派閥やそれを超えて幅広い支援を得ている。また、課題とされた党員票も全国の組織、個人を含めてアプローチ。党員票は前回の10倍は獲得できるはず。世論調査などでトップを走る河野氏にも肉薄し、決戦投票には持ち込めると思う」

◆伸びていて読めない高市票

 一方、岸田氏以外の3候補に推薦人を出す、二階派幹部はこう分析する。

「党員票で河野氏と岸田氏は大差がつくはずだ。だが、議員票は岸田氏へという流れがあり、河野氏も一回目で過半数までは取れない。決戦投票にもつれるだろう」

 だが、共通の懸念は高市氏の票が読めないことだ。

「高市氏の票読みをしているが、すごい勢いで日々、伸びている。どれぐらい取るのか、最後まで予断を許さない」(二階派幹部)

 河野陣営が当初、想定していた必勝パターンは、決戦投票ではなく、党員票で圧倒的優位に立ち、1回目で過半数を取り、逃げ切るシナリオだった。しかし、河野陣営の国会議員はこう語る。

「1回目で勝つというのは、かなり難しい情勢。今は決戦投票を想定して作戦を考え、動いている」

 決選投票にもつれ込み、河野氏と岸田氏が争うという構図になるのか?そこへ高市氏が割って入るのか?

 今回の総裁選は、会長の岸田氏が出馬している岸田派以外、各派閥は自主投票となっている。だが、麻生太郎副総理兼財務相が率いる麻生派の国会議員はこう語る。

「自主投票は1回目だけでしょう。決戦投票は違います、どの派閥も一致結束しての投票となるのは同じです。麻生派の一部は一回目の投票で岸田氏へ票を回します。決選投票になれば、誰に票を回すのか…」

 河野氏が1位で岸田氏が2位となれば、安倍晋三前首相が推す高市氏が3位となる公算が大だ。決戦投票では、安倍氏が率いる最大派閥「清和政策研究会(清和会)」の96票の行方がポイントとなる。また、安倍氏と盟友の麻生氏が河野氏に対し、決戦投票でどう対応するのか、も注目されている。

次のページ 高市氏が2位の方が河野陣営が有利になる理由