岐阜市の支部会合でリモートであいさつする野田氏/9月19日、岐阜市 (c)朝日新聞社
岐阜市の支部会合でリモートであいさつする野田氏/9月19日、岐阜市 (c)朝日新聞社

 それができなかったのは、選挙制度が小選挙区になったことが大きい。小選挙区制は1選挙区から1人しか出られないため、執行部に公認されないと当選できない。だから全員、安倍氏へのゴマすりしか考えなくなり、何が起きようと誰も安倍氏の批判をしなくなったという。

「ポスト菅」として田原さんが期待するのが、河野氏だ。

 理由は、脱原発。いまアメリカやヨーロッパの先進国はみな反原発。田原さんも最終処分場の問題がある以上、日本は原発を続けるのは難しく、将来はなくすしかないという立場だ。河野氏は、福島第一原発事故前から核燃料サイクル政策を批判し、脱原発を主張してきた。

 だが、河野氏は総裁選を前に「脱原発」の持論を封印した。この点を田原さんは、そうしなければ所属する派閥の会長の麻生氏が出馬にOKしなかったからだと語る。

「河野さんが首相になったら反原発を唱える。実際、僕は河野さんに直接会って、そのことを確認していますよ」

 森友・加計問題の再調査も、石破氏が河野氏を応援する以上、当然行う。小泉進次郎環境相が河野氏支持を表明したのも、脱原発と女系天皇容認、森友・加計問題の再調査を期待しているからだという。

 河野氏が首相になれば、自民党で世代交代が起き党風は一新するのか。田原さんは言った。

「答えはあきらか」

(編集部・野村昌二)

AERA 2021年10月4日号

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼