いま私が支援している「こども食堂」は、貧困問題や福祉の枠を超えた多世代交流の場として、民間ベースで機能し始めています。政治家の中には「第2学童保育の位置づけで政策化を」と提案してくださる方がいますが、それでは子どもと高齢者の交流ができなくなって、こども食堂の可能性を狭めてしまうので、「その方向での政策化は求めていません」と伝えています。
求めたいのは、今年の「骨太の方針」で示された「人と人のつながりを実感できる包摂的な社会」を具体化する政策・予算、具体的には多世代交流拠点の全国での設置を地方創生の目玉として位置付けてほしい、ということ。安倍・菅政権では道半ばに終わった課題でもあります。
例えば東京都が「『未来の東京』戦略ビジョン」で、「誰もが集い、支え合う居場所・コミュニティが至る所に存在する東京」を2040年代までに目指すとしています。このようなことに対し、「地方を活性化するソフトインフラとしての交付金」を創出し、国として後押しする。新総裁にはぜひ実現してほしいですね。
(構成/編集部・小長光哲郎)
※AERA 2021年10月4日号