気になるのは引退後の去就だ。日本ハムの球団フロント入り、ニュースキャスターへの転身など囁かれるが、数年前から現場では斎藤の指導者としての資質を評価する声が多く出ていた。
かつて日本ハムでコーチを務めていた球団OBはこう話す。
「斎藤は雰囲気が柔らかく、接しやすい。変なプライドがないので先輩、後輩問わず良好な関係を築くのがうまかった。結果が出せず年齢がベテランの域に入ってもチームで浮くことがなかったのは、その人柄だと思います。これは指導する上で大事な要素です。度重なる故障でリハビリ、トレーニングの勉強も熱心でした。栄光だけでなく挫折を味わったことで多くの選手たちの気持ちに寄り添える。トレーニングの勉強をして指導者として戻ってきてほしい思いですね」
現役11年間で通算88試合登板し、15勝26敗、防御率4.34。思い描いた野球人生ではなかったかもしれないが、最後まで戦い抜いた姿勢は評価されるべきだろう。紆余曲折を経た経験は必ず役に立つ。「第2の人生」での活躍を願うばかりだ。(梅宮昌宗)