枝野幸男立憲民主党代表 (c)朝日新聞社
枝野幸男立憲民主党代表 (c)朝日新聞社

 仮に参院選で立憲民主党などの野党が大きく勝利し、与野党の議席数が逆転すれば「ねじれ国会」になる。岸田政権は国会運営の主導権を失い、レームダックに陥る。そうなれば短命政権で終わる。自民関係者も「来年の参院選が岸田政権にとって『鬼門』になる」と見る。派手な立ち振る舞いを好まない岸田氏にとって、選挙こそが最大のリスクだ。

 とはいっても、現時点では野党が政権短命化を招くほどの脅威にはなっていないのも事実だ。

 次期衆院選の公示日は19日だが、立憲と共産党はまだ70程度の小選挙区で競合している。さらに、立憲の枝野幸男代表の不人気ぶりも顕著になっている。

 埼玉大の松本正生名誉教授(政治意識論)が、東京都議選があった7月に実施した調査によると、立憲支持者の約61%は60歳以上だという。これは、自民の38%に比べてはるかに高い数字だ。前出の田中氏は言う。

「今の若い世代は、政治に関心が出始めた年頃に民主党政権の失敗を経験しています。にもかかわらず、枝野氏をはじめ、野党幹部は民主党政権の中枢にいた人たちばかり。それが続く限り、若い人たちは野党に投票する気にはならないのではないか」

 岸田政権を短命に導くリスクの中で、実は、野党の存在こそが岸田氏の最大の味方なのかもしれない。選挙に奔走する自民党議員の秘書は、こんな本音を漏らした。

「枝野さんが『野党の顔』で居続けてくれることはありがたいよ」

(本誌・西岡千史/AERA dot.編集部・今西憲之)

週刊朝日  2021年10月22日号

暮らしとモノ班 for promotion
大人のリカちゃん遊び「リカ活」が人気!ついにポージング自由自在なモデルも