ロナプリーブもゼビュディも、効果も対象となる患者もほとんど同じだ。対象は高リスクの軽症か軽い中等症の感染者。酸素投与が必要になるような重い中等症の患者は、投与すると逆に悪化の恐れもあるため対象外だ。ウイルスの増殖を抑える薬なので感染初期に投与する必要があり、発症から7日以内しか効果は確認できていない。
厚労省によるとロナプリーブは2万5555人への投与で86人に吐き気や不整脈、発熱といった様々な症状が起こる「インフュージョン・リアクション(輸注反応)」など、重い副作用が起きたという。多くの場合、投与から24時間以内に起こるので、経過観察と、体調が悪くなった場合にすぐに対応できる体制での投与が必要だ。(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)
※AERA 2021年10月25日号より抜粋