ついに幕を開けた衆院選。いかなる結果が予想されるのか。政治ジャーナリストの野上忠興氏と角谷浩一氏に、四国・九州・沖縄地方の選挙区の情勢を聞いた。
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香川1区は前デジタル相の平井卓也氏と小川淳也氏のデッドヒート。平井氏はNTTから高額接待を受けた疑惑が報じられている。一方の小川氏は維新に対し、香川1区での候補者の取り下げを要請して波紋を広げた。
長崎1区は、安倍晋三氏の元秘書、自民新人の初村滝一郎氏と国民前職の西岡秀子氏が争う。
「自民県連が、野田聖子氏を推薦人にして女性候補がほぼ固まっていた。そこに安倍氏サイドが強引にねじ込んできたのです」(角谷氏)
野上氏、角谷氏ともに、西岡氏が優勢と見る。
元地方創生相の北村誠吾氏と瀬川光之氏が自民の公認を争った長崎4区は、岸田派所属の北村氏が公認をゲットした。
「北村氏は74歳と高齢なうえ、昨年の閣僚退任時に『相当、ほら吹いてきましたから』と発言し批判を浴びた。小沢一郎氏の元秘書・末次精一氏は58歳と若い。瀬川氏ならば自民が議席を取っただろうが、立憲の逆転もあると見ています」(角谷氏)
沖縄は前回、自民が選挙区で唯一議席を得た4区の西銘恒三郎氏が、岸田文雄内閣で沖縄・北方担当相に就任した。
「西銘氏の選挙区での議席を死守するために、沖縄経済界が全面テコ入れすると聞いています。西銘氏が有利と予想しますが、16年の参院選では現職の大臣だった島尻安伊子氏が落選の憂き目に遭ってから、ご祝儀票は当てにできないと言われており、安泰とは言えません」(野上氏)
(本誌・亀井洋志、秦正理、池田正史)
※獲得議席予測、各選挙区の当落予測については調査の結果ではありません。公示日前に識者2人が予想しました。
※週刊朝日 2021年10月29日号より抜粋