東京五輪メキシコ戦でフル出場した中山雄太(写真左)、森保監督、吉田麻也(C)朝日新聞社
東京五輪メキシコ戦でフル出場した中山雄太(写真左)、森保監督、吉田麻也(C)朝日新聞社

 続いて「左ウイング」。オーストラリア戦では南野が務めて先制ゴールをアシストしたが、「4-3-3」の左ウイングに求められる縦への突破力という面では物足りない。本来ならば中島翔哉を候補に入れたいが、この数年はキャリアが停滞。ようやくこの10月に約8カ月ぶりに公式戦のピッチに戻ってきたばかりで代表復帰は時期尚早だ。それよりも“旬”で魅力的なタレントが、今夏からベルギーのユニオンSGでプレーする三笘薫である。その傑出した能力はJリーグの舞台で証明済み。不完全燃焼に終わった東京五輪でも、最後のメキシコ戦で見せた得点は間違いなく世界レベルだった。

 そして今季、チームの戦術的理由もあって出番が限られていたが、10月16日のリーグ戦で「2点ビハインドで1人少ない」という中で後半から途中出場してハットトリックを決めて逆転勝利に導く離れ業。錆び付かないドリブルの切れ味と高い決定力を見せ付けた。従来の「4-2-3-1」の左MFだと守備のタスクが多くドリブルのスタート位置も低くなってしまうが、「4-3-3」の左ウイングならば三笘のアタッキング能力を存分に発揮できる。南野を先発起用して「途中から三笘」という戦法もあるが、より大きな変化を求めるならば「スタメン三笘」で勝負したい。

 さらに「左サイドバック」だ。森保ジャパンに限らず、長らく日本代表の不動のスタメンだった長友佑都だが、すでに35歳となった。闘志と運動量は健在だが、この最終予選では守備面での連携ミスが散見されて批判の声が高まっている。そこで、候補となるのが中山雄太だ。ボランチを本職にしながら五輪でも左サイドバックを務めた万能型。縦へのスピードは不足しているが、三笘を左ウイングで起用するならば、その後ろに陣取る左サイドバックに必要なのは、突破力ではなく的確なポジショニングからの安定した守備と正確な繋ぎである。サイドに張る役目は三笘に任せ、中山には「偽サイドバック」としてボランチ的な動きを求めたい。「ウイング三笘&偽サイドバック中山」は、日本の左サイドの効果的な解決策となる可能性を秘めている。

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