配布された回答文書によると、その質問は日本雑誌協会から出された、圭さんの母親と元婚約者との間の金銭トラブルや母親による遺族年金の不正受給疑惑、また圭さんの留学先である米フォーダム大学への入学にあたって特別な待遇を受けたのではないかという疑念の声に対し、説明を求めたものだった。
これに対する回答のなかで、眞子さんは「誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問をいただいたことは、誠に残念に思います」と述べている。
「雑誌協会の質問を名指しする形で批判することがよかったのか、問われることになると思います。反対している人を責めるような印象を与えてしまうため、今度は雑誌協会が叩かれるということになってしまいかねません。結婚に賛成している人が、反対している人を誹謗中傷しはじめないといいなと思います」
今回の一件が今後の皇室に与える影響についてはこうみる。
「平成から令和にかけては、皇室に対し尊敬や親しみの気持ちをもって支持している人が多かった。ところが、そうしてうまくいっていた状態から、この結婚問題で世間に分断が生まれてしまいました。今後この分断の状態からどう回復するのか、今後のカギになると思います」
会見で眞子さんは「婚約に関する報道が出て以降、圭さんが独断で動いたことはありませんでした」と説明し、圭さんの母親と元婚約者への対応や、圭さんの留学を前倒しすることについても「私がお願いした」と、はっきりとした口調で話していた。こうした眞子さんの発言を受け、河西准教授は「今後の皇室や、象徴天皇制そのものに対して、議論するべきところに来ている」と語る。
「皇族がこれだけ意思を発して様々な行動をされることを、これから我々はどう受け止めるべきか。これは、象徴天皇制を考えるうえで重要な問題になると思います。象徴天皇制というのは、皇族の意思がある程度制限されるものですので、それをよしとするかどうかは、象徴天皇制という制度そのものを守るかどうかということに繋がります。これはしっかりとした議論が必要になってくると思います」
(AERA dot.編集部・大谷奈央)