つじ・ようすけ/1976年生まれ。京都大学を卒業後ソニーに入社。2004年にマネックス証券に参画。11年、ペンシルベニア大学ウォートン校MBA修了。12年にマネーフォワードを設立(撮影/写真部・戸嶋日菜乃)
つじ・ようすけ/1976年生まれ。京都大学を卒業後ソニーに入社。2004年にマネックス証券に参画。11年、ペンシルベニア大学ウォートン校MBA修了。12年にマネーフォワードを設立(撮影/写真部・戸嶋日菜乃)

 この本は第一項に「非常識と思えるほどの目標を掲げよ」と書いてある。最初に読んだときは会社の売り上げはまだ4億円ぐらいでしたが、僕は目標100億と書き込みました。アジアで最も使われるプラットフォームを作り、フィンテック業界ナンバー1になる、と。非常識ですよね。でも昨年100億円を達成しました。事業計画を書いているとどうしても連続的成長を意識して近いところで目標を設定しがち。経営者はそれではダメだとこの本から学びました。

■こういう人になりたい

 本多静六さんの『私の財産告白』はマネーフォワードMEのユーザーにも何度か紹介しています。お金については簡単に1億円儲かる方法とかいう本が多いですが、そうではない本質的な本を探していて、出合った本。東大の教授で林学博士なんですが「月給4分の1天引き貯金」などで資産を増やして最後には全部寄付した人です。お金って増やすのも難しいけど実は使い方も難しい。こういう人になりたいなと思います。「最も苦心するのは人の叱り方、諭し方」なんて書かれていると、この人ですらそうなんだなと勇気づけられます。本を読むと「僕ごときの悩みなんて周りの人が解決してる」って思います。人間って同じようなところで悩んでいる。でも、大体は先に行った優秀な人がいて、解決法を知っている。だから絶対、本は読んだほうがいい。6月に出した拙著『失敗を語ろう。』も、僕の失敗を共有することで学んでくれる人がいればと願って書きました。

私の両極本(AERA11月8号から)
私の両極本(AERA11月8号から)

(編集部・高橋有紀)

AERA 2021年11月8日号

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