会見で2軍の選手をじっくり見てきたと話していたが、素晴らしいことだ。2軍に眠っている才能を発掘できれば、下位に沈んだチームを大きく変えることにもつながる。
2月のキャンプでは、スター監督に注目が集まるだろう。ただ、選手からすれば、地に足をつけた練習を日々送ることができる。監督がマスコミの目を引き付けてくれるわけだから。主力選手だと、マスコミの目がある中で、なかなかやりたいことに取り組めないこともあっただろうが、逆に歓迎すべきだろう。
あとは、新庄監督が現場を離れていた間、データや数値、その解析、分析というものが野球界に入り、急速に発展している。そして若い選手は、そういった数値を見て育っている選手たちだ。若い選手と付き合い、納得して取り組ませる上で、新庄監督自身も理解していかなきゃいけないことだと思う。新庄監督は、これから一日も無駄にすることはないだろう。選手たちも、新庄監督の言葉に耳を傾け、ともに球界を盛り上げてもらいたい。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2021年11月19日号