西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、の日本ハムの新庄剛志新監督に期待を寄せる。
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日本ハムの新監督に就任した新庄剛志氏が11月4日、札幌市内で就任会見を行い、第一歩を踏み出した。白色の襟が大きなシャツとワインレッドカラーのド派手なスーツ姿。新監督就任会見で、こんなことをやる監督はいないだろう。2006年の現役引退から15年。よく戻ってきてくれた。
新庄監督の外見や、派手な言動にファンは夢を見てほしい。実際に現役時代にやってきたファンサービスを監督としてさらに進化させてほしいよね。野球を見に来るのが先か、新庄監督を見に来るのが先か、どちらでもいい。新庄監督が起こしたムーブメントにファンがつき、さらにその野球を見てくれるようになれば、大きな成功になる。
コロナ禍で観客動員に制限がかかってきた。その中でどれだけ野球ファンがついてきてくれているのか、球団はグッズの販売や、ファン会員数などである程度把握できるのかもしれないが、新型コロナウイルスが終息した先に、球場にファンが集まってくるかは相当な不安かと思う。会見に同席した畑佳秀オーナーは「23年に本拠地を移す球団の歴史において大きなエポック(時期)を控えている。このような重要な時期にチームを任せられるのは新庄監督が最もふさわしいと決断した」と話したそうだが、まさに「お客さんを再び球場に集められる存在」として、新庄監督以外になかったのだろう。
どんな新監督に対しても、私は同じことを言う。「前監督の踏襲ではなく、自分の色を出すこと。特に下位に沈んだチームは、主力の扱いも含めて、自分の信念を貫いてもらいたい」ということ。その点、中田翔も抜けた今、若い選手ばかりの日本ハムの自由度は高い。
そしてもう一点。日本ハムの監督は、GMから与えられた戦力でチームを勝たせることになる。GMに就任した稲葉篤紀が集めた選手を、新庄監督がしっかりフル活用して勝たせること。そこの線引きははっきりしているから、新庄監督もやりやすいはずだ。