片岡氏を現役時代から取材してきたスポーツ紙記者はこう語る。

「ちょっと言葉足らずで物言いが強く感じるかもしれないけど、繊細で真面目な人間です。問題になった発言も巨人に対しての不満や他意はなかったと感じました。指導熱心だし選手への愛情をものすごく感じる。ただ、責任感が強い男なので、選手が思うように上達できなかったことに『自分の実力不足』と背負いこんでしまったのでしょう。まだ38歳と若いですし、外から野球を勉強して指導者として再び戻ってきてほしいですね」

 片岡氏とすれば、コーチを辞めたのは苦渋の決断だろう。ベッキーも悩む姿を見てきただけに、心身共にリフレッシュしてほしいと考えて前向きな言葉を送ったのではないだろうか。ただ、一連の発言で誤解されかねない部分もあった。

「選手、コーチの去り際は非常に大事です。片岡氏は巨人のコーチ時代を『楽しかった』とも話していますが、あの動画を見るとそれ以上に辛かったのだろうなと考えてしまう。ベッキーの反応の部分も話すべきではなかったし、ああいう発言をするとどの球団からもコーチとしてオファーが来なくなってしまう」(スポーツ紙デスク)

 一つの発言が真意とかけ離れて命取りになる恐れがある。反省するべき点はあるが、心身をリフレッシュして、もう一度指導者として戻ることを願っているファンも多くいるはずだ。(竹内高志)

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