「すいません!遅くなりました!」フジテレビの長い廊下の端から良く通る声。おしゃれな帽子とジャケットに身を包み颯爽と登場したのが、今をときめくヒットメーカー、同局の人気番組「全力!脱力タイムズ」の制作総指揮を務める、名城ラリータ(45)だ。開始7年目を迎える同番組。人気の秘密、笑いの作り方について名城に聞いた。
――「全力!脱力タイムズ」も7年目ですね。率直にどんなお気持ちですか?
僕の自宅では土曜日が燃えないゴミの日なんですが、ゴミ出しに行ったら、回収に来ていた清掃員の方から「きのう面白かったですね」と言われたんです。脱力を毎週楽しみにしてくれている人が沢山いるんだなということを実感しました(笑)。
――脱力の誕生秘話は?
脱力タイムズの企画を考えた時、まず有田哲平さんに相談に行こうということになったんです。他局で収録中の有田さんのところに行って、直接プレゼンしました。その時の有田さんは僕の方を一切見ないし、何も言わなかった。その後プロデューサーの神原(孝。FCC執行役員・チーフプロデューサー)にはいろいろ質問していたんですが、最後に一度だけ僕の目をみて「これ面白くなると思います」と言ってくれました。これが脱力の源流です。
――名城さんが感じる有田哲平さんの“スゴさ”とは?
有田さんとはかなり密に打合せしています。次のゲストはこの人だから、こうしたい。僕らスタッフが考えた内容をみて、有田さんはその企画がゲスト芸人にマッチしているか?芸人さんのどの部分を視聴者に見せたいか?芸人さんだけでなく俳優・女優さんにどこまでやってもらえるか、加減もわかってアドバイスをくれます。この女優さんはお笑いが好きそうだからここまでいけるなとか。僕らが気を遣って制限をかけているところを、逆に有田さんは「ここまでいける」と先読みしています。最終的には僕がまとめますが、有田さんの思いを形にしていますね。