「4リットルサイズは他社と競争するためとても安く提供していて、利益にならなかったんです。とは言え主力商品ですから、生産縮小によって会社全体の売り上げが5~6億円程度下がったと記憶しています」(伊藤さん)というが、この決断が思わぬプラス効果を生む。
4リットルサイズの商品は大きいため、店の棚やカウンターには置けず、客の目に届かない場所に置かれることが多かった。客はベースの焼酎が何かを知らずに飲んでいたということだ。
だが、投入したサイズが小さい商品は、店のカウンターや棚にズラリと並べることができる。これにより、客が実物を目にする機会が格段に増えた。飲んで美味しいと思った一杯の、ベースの焼酎が何なのか。さらにそれがキンミヤと呼ばれていると、認知度が徐々に上がっていったのだ。
「販売戦略」という踏み込んだ決断が功を奏したが、人気の理由はほかにもある。後編では、肝心の「味」や時代背景について迫る。
(AERAdot.編集部・國府田英之)
※記事の後編<「この見たことがない焼酎はなんだ」 無名だった「キンミヤ」人気に昔ながらの営業力>に続く
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