リーグ優勝し、CSファイナルステージで巨人を撃破、オリックスとの頂上決戦を制するとヤクルトの注目度が上がった。世間の興味を引いたのは明るい雰囲気だ。CSファイナルステージ後の表彰式でMVP発表の際に、塩見が満を持して用意していたが、奥川の名前がコールされると、塩見、村上、青木が崩れ落ちて球場がわいた。オスナ、サンタナの両外国人もチームに溶け込み、試合中は負けていてもベンチからは鼓舞する声が常に聞こえて活気に満ちている。

 SNS、ネット上では「野球に興味なかったけどヤクルトを見て好きになった。まだまだ知らないこと多いけど教えてください」、「巨人ファンだったけど、ヤクルトファンになります。個性的な選手が多くて高津監督も魅力的です」など新規のファンの声が目立つように。

「勝たなければファンに興味を持ってもらえない。ヤクルトは今年の快進撃でファンが急増したように感じます。1990年代に野村克也元監督の下で黄金時代を築いた時も、高津臣吾監督、古田敦也氏、池山隆寛2軍監督、石井一久楽天監督など実力と人気を兼ね備えたタレントが多く、選手たちはアイドルのような扱いでメディアに露出し、女性ファンが急増した。楽しさの中に厳しさもある雰囲気はあの時と似ているように感じます。これからも勝ち続ければ、ファンが増え続けるでしょう」(テレビ関係者)

 ヤクルトファンは「我慢強い」と言われる。下位に低迷しても選手たちに温かい応援を続けてきた。本拠地・神宮球場の観客動員数を見ると、12年以降増え続けている。今年の日本一でさらに「燕党」が増えそうだ。(安西憲春)

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