WASSHAが開発したシステム。太陽光パネルで電気をつくり、懐中電灯のようなライトに充電して使う(撮影/写真部・東川哲也)
WASSHAが開発したシステム。太陽光パネルで電気をつくり、懐中電灯のようなライトに充電して使う(撮影/写真部・東川哲也)

 だが理想と現実は別だ。2006年に早稲田大学大学院商学研究科の国際ビジネス専修を修了した秋田は、IBMビジネスコンサルティングサービス(現日本IBM)に入り、コンサルタントとして働き始めた。担当したのは通信・エネルギー分野の新規事業開発や航空会社の業務改善プロジェクトである。

6年だけトライさせて

 その間に結婚し、自分の人生に満足していた。09年に長男が生まれ、夫婦で「この子には、周りに反対されても自分の道を突き進むような生き方をしてほしいね」と話していた時、ふと20歳のころの情熱が蘇(よみがえ)った。

「そういえば俺は起業がしたかったんじゃなかったのか」

 秋田は妻に頼み込んだ。

「この子が小学校に上がるまでの6年間、夢にトライさせてくれないか」

 言い出したら聞かない秋田の性分を知る妻は承知してくれた。(敬称略)(ジャーナリスト・大西康之)

AERA 2021年12月6日号より抜粋

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