A:気になるのは、欧州の某大手金融機関の動向ですね。破綻懸念が浮上して事業の売却を進めていますが、金融不安の火種になりかねない。特に、欧州の景気減速は顕著だし、共産党大会を経て中国株が急落する場面があったようにリスクオフの材料も少なくはない。

C:その金融機関は一種の“生贄(いけにえ)”のように感じてます。2008年のリーマン・ブラザーズみたいなもの。政治・経済が混迷を極めているときは生贄を用意して折り合いをつけるところがありますよね。大手金融機関が潰れそうだとなれば、救済策を兼ねた大型経済対策が打ちやすくなる。つまり、こうした金融不安の材料は相場の底打ちのサインとも言えないでしょうか。

B:株の調整が続くと、個人投資家は厳しいです。手堅い投資先である国内のIPO(新規公開株)も今年は激減しています。昨年は125社もあったのに、今年は10月までで60社しかIPOしてないんです。目ぼしい投資先がないので、利回り5%超えのREIT(不動産投資信託)なんかを買ったりしてしのいできましたが、そのREITも右肩下がりになっている。弘中綾香アナウンサー結婚相手が経営するプログリット(ビジネス英語コーチングサービス/9月29日上場)みたいに、ご祝儀相場に沸きそうな銘柄に飛び乗って小遣いを稼ぐ程度のことしかできていません。

■インバウンド、半導体に注目

C:今後の注目はやっぱりインバウンド関連じゃないですか? ドラッグストアや家電量販店は早くも外国人の観光客で賑わいを見せているから、業績が上向くのは必至。ゼロコロナ政策を続ける中国がコロナ対策を緩和してくると、中国人に人気のラオックスなどの家電量販店は急騰しそう。

D:半導体市場の需給の逼迫(ひっぱく)はまだまだ続きそうなので、半導体関連検査装置のレーザーテックなどのテクノロジー銘柄はマーケットが底打ちしたら大きく値を伸ばすと見ています。半導体製造装置大手の東京エレクトロンなんてブルーチップ銘柄の代表格だったのに、この弱気相場でかなりの割安水準です。3.7%も配当利回りがあるから、買って放置しておいてもよさそう。

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