
政府・日銀による24年ぶりの円買い介入が実施されて荒れ模様の金融市場。ドル/円相場は10月に入って32年ぶりに1ドル=150円台の大台を突破したが、今後の影響はいかに? 金融のプロと個人投資家4人が緊急座談会を実施した。
■座談会の参加者■
Aさん:40代男性。外資系証券で海外機関投資家担当のセールストレーダーを務める。海外機関投資家の動向に詳しい
Bさん:50代男性。個人投資家。株、FX、先物、不動産投資などで2億円以上の資産を築いたが、下落トレンドが続く2022年の株で得たリターンは200万円程度
Cさん:30代男性。国内資産運用会社の株式トレーダー。複数の証券会社で経験を積んだ後の現職とあって、証券業界で顔が広い
Dさん:40代男性。大手証券会社のプロップ(自己売買)トレーダー。中小証券、大手銀行系証券などで経験を積み、現在は数百億円の資産運用を任されることも
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──9月22日以降、政府・日銀が繰り返し為替介入を行い、マーケットが乱高下しています。仕事に影響は?
A:私の仕事は海外の機関投資家から注文を受けて日本株の買い付けを行うセールストレーダーですが、9月22日と10月21日の介入はいずれも東京時間(日本時間午前9時~午後3時)外だったので、特に仕事に影響はありませんでした。
後日、外国人投資家から「岸田(文雄首相)はクレイジーだ」とグチをこぼされたぐらいで。世界の中央銀行のなかで唯一、日銀だけが金融緩和を続けて円安誘導しているのに、政府が円高方向へ為替介入をするんだから当然ですよね。ただ、介入があっても日本株は全然動いてないから、ヒマしてます……。
B:財務省の神田真人財務官は、介入の仕方を変えてきたように思います。9月22日の介入は午後5時4分から40分間ほど断続的にドル/円を売り浴びせてきたので、買い下がったうえで3連休明けの26日に手仕舞いするだけで稼ぐことができました。でも、10月21日は深夜11時半過ぎから1時間半近くも、売り浴びせてきた。